真実と嘘〜番外*subplot〜



なんて心の中で呟いて、一息、私たちの間にまた静かな空気が流れた。



そんな無言の間が心地よくて、ココアを飲みつつぐるぐる考える。



…なんか、不思議だな。



少し前までのあの、交戦だなんだってやってたのが、すごく昔に感じる。





茜たちと会ってから、まだ一年も経ってないなんて。


思えないくらい、私は白龍で満たされてる。



あの時の胸の痛みも、心に穴が空いた感じも、忘れはしないけど。


すごく遠くに感じられるくらい、暖かいものに包まれてる。




そんなことを考えて、気づけば口が動いていた。




「──茜、ありがとうね」



そんな私に、茜は何が、とでも言うように怪訝な顔をして眉をひそめる。