真実と嘘〜番外*subplot〜


なんだか今日は……いや、もう日付も変わったし、昨日って言うべきなのかな。




…昨日は、沢山泣きそうになっちゃったなぁ。



そのせいもあって、なのか。


茜を引き止めて部屋に呼んでしまったのは。



そういえば、もう一度好きだって伝えようと思ってたのに、待っていてくれてありがとうって伝えようと思ってたのに、伝えそびれてしまったし。


私たちの関係は当分こういう感じ、なのかな。




ココアのマグカップを両手で持ちながら、ちらり、茜を横目に見る。

そうすれば、目線が思いっきり合ってしまって。




「え、」


なんてマヌケな声を出してしまう。

どうしよう、とちょっと考えて。



「…こ、ココア、結構うまくできたと思うんだけど、どう?」



なんてたどたどしく言葉を紡ぐ。


そうすれば、茜はほんの少し口を曲げて。



「…いいんじゃね。ま、もっと甘くても別に飲むけど」




なんて言ってきたから、私はまたほんの少し笑ってしまった。


そんな私を見て、茜がまたギロリと睨む。



「てめっ…、別に、もっと甘くてもってのは、どんな味でも残したりしねぇって意味だっつの!」



「ふは、うん、はいはい。知ってる知ってる、茜は人に出されたものは律儀に全部食べてくれるタイプだもんね」




言い訳が変だよ茜、とは言わないでおく。


にしてもこれでもだいぶ甘くしたんだけど、茜さん。

病気になるよ危ないよ危険だよ。