真実と嘘〜番外＊subplot〜

私、本当に情けない。


ぐ、っと涙を袖で強く拭う。



でも止まらなくて。


だいちゃんがそこにいるのを確かめるように、だいちゃんの腕に触れていた手に力を込めた。




震える、息を吸い込む。



──だいちゃん家に入るまで、我慢しようとしていたけど、ダメだ。


私は、ずっとずっと伝えたくて、でももう伝えられないんだと思っていたその言葉を、我慢できずに口にした。



「──だいちゃん、ごめんね」



崖から突き落として、ごめんね。

転校のこと、気づけなくてごめんね。

自分のことしか考えてなくて、ごめんね。



いろいろな、意味を込めて。