「いや、あの、お母さん痛いからね!」
「だってだって、お付き合いしてるってことでしょう!?やだぁ、も〜」
お付き合いしてる、なんて言われてほんの少し心が弾んだ。
全然以前と変わりない私と茜だけど、きっと、そういうことになるんだろう。
でも何より、お母さんとこんな会話できるなんて、思わなかった。
…絶対ないと、思ってたんだよお母さん。
「今もね、多分外で待っててくれてるんだ」
「あら!それじゃあ早く行ってあげなきゃじゃない!」
嬉しそうにそう言うお母さんに、私は笑顔で頷いた。
夢じゃないかと疑いたくなるこの光景は、きっと。
いや、確かに、現実。
「今度、連れてくる!照れ屋だし、嫌がるかもしれないんだけど絶対!」
思い出して、ふへへ、なんて笑えばお母さんも「わかったから、ほら、行ってあげなさいよ!」なんて笑顔で言った。
「うん!それじゃあ、また来るね!」


