「私を助けてくれた、人で。
私が入ってる族の、仲間で。
────私の、大切な人…なのでございますっ!」
…語尾は変になっちゃったけど。
驚いたように目を見開いたお母さんから目線をそらさずにいれば、だんだんと恥ずかしくなってきて頬がじんわり熱くなる。
…う、こんなの柄じゃないのに。
そんな私を視界に入れていたお母さんの驚いた顔が、だんだんと崩れて口角が上がっていく。
目元も、三日月型になっていく。
いわゆる、にんまり。
そういう顔になっていた。
げ、なんて思ったのも束の間、肩を思いっきりバシンバシンと叩かれる。
「やだ、ちょっと、日向っ!もうっ!びっくりしちゃったわよもうっ!!」
捲したてるように、どうしよう!なんて騒ぎまくるお母さん。


