「日向は変わらないわね。元気でやっててくれて、本当に良かった」
ああ、もう。
また泣いてしまいそうだ。
…って、もう、泣いちゃってるか。
「っ、うん」
それでももう、涙をこぼさないようにグッとこらえて私はお母さんに笑顔を向けて頷いた。
そんな私に微笑み返す。
お母さんの笑顔にまた鼻の奥がツンとしちゃったけど。
そんなのも吹き飛ばすみたいに、今までの時間を埋めるみたいに。
────茜色だった空に星が浮かぶまで、お母さんと私は夢中で話しをした。
*
「──あら、もうこんな時間!」
お母さんが時計に目を移して声を上げて、私もハッと我に返った。


