プレゼント・2

去年のクリスマス。

サンタが私にくれたプレゼントは、優しくてカッコイイ恋人。

私がお子様だからか、ゆっくりゆっくり愛を進めてくれている、とても優しい俊彰さん。

なぜか、俊彰さんの妹の楓花ちゃんは、
「騙されすぎないで下さいね(笑)」
と言ってくるのだけど。

なんでかな??

お仕事が終わってからの帰り道は、いつも手を繋いで、私のアパートまで送ってくれる。

帰り道のオシャベリも好き。

静かに歩いてる時も好き。

俊彰さんといると、自然体でいられるから不思議。

私には、勿体ないくらいの恋人。

そんな大好きな俊彰さんなのに。

今、私は、とても頭を悩ませている。

もう今は2月。

そう、バレンタインだ。

毎年、バレンタインは頭を悩ませる。

前は、一緒にお仕事をする先輩として。

今は大好きな恋人として。

なぜなら彼は……パティシエだから。

『カノン』で売られているチョコは買えない。

だって作ったのは、俊彰さん。

私の手作りは渡せない。

だって、絶対に俊彰さんのチョコの方が美味しいもの……。

本当に、どうしよう……。

バレンタインは、もうすぐなのに……。

ついついタメ息をついてしまうと。

「どうしたの美樹ちゃん。タメ息なんかついて。」
オーナーの茂樹さんが話しかけてきた。

「あ、すみません!仕事中なのに……。」
慌てる私に。

「今は落ち着いてる時間帯だから大丈夫だよ。それよりどうしたの??俊彰になんかされた?」