アオゾラをカナデヨ

「まさか、片思いの相手が私だなんて思わなかったよ」

「ああ、なんか中3の時からずっとって、ストーカーか?ってイヤがられるとか、色々考えてたら言うタイミング逃した」

ストーカーって……。

「考えすぎ!私、結構気になって悩んでたんだよ!」

「え……?そっか。ごめん」

シュンとした顔は、まるでお母さんに怒られている子供のようで。

大人な部分と子供のような部分、そんなギャップがまた私をキュンとさせる。

秋の日陰は涼しい風が吹いている。

「日陰はだいぶ涼しいね」

夏が好きな私は少し寂しい。

「オレ、上着持ってきた」

そう言ってあの空色のパーカーを、カバンから取り出して私の肩にかけてくれる。


ーードキ!

フワリと香るユウタの匂い。ああ、幸せすぎる。

「ありがとう、やっぱりこの色、キレイ」

「持ってきて正解だったな」

そう言ってまたボールを蹴り始めるユウタ。

前の学校では、サッカーのユニフォームを着てボールを追いかけていたんだ。そんなユウタも見てみたかったな。