透明な青、揺れるオレンジ



ちらりと見えた横顔から、それが補習に来ているあの女子だと気づく。


「高崎。俺、忘れ物したから先行っといて」

俺は彼女を気にしながら高崎の背中を軽く押すと、プールの入り口に近づいて行った。


「何してんの?」

声をかけると、俺に背を向けてプールを覗き込んでいた彼女が肩をビクつかせた。


「あ、ごめんなさい」

慌てた様子で彼女が振り返る。

いつもプールの中から遠目に彼女を見ていたけれど、正面からまともに彼女を見るのは初めてだった。

同い年にしてはやや童顔で可愛らしい顔つきの彼女は、真ん丸い大きな瞳をそわそわと落ち着きなく動かしていた。


「あんた、浅井先生の補習に来てる子だろ?プールに何か用でもあんの?」

彼女の大きな瞳を覗き込みながら訊ねる。

すると、そわそわと泳いでいた彼女の瞳が俺を真っ直ぐに見つめた。