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選抜試験を受ける全員が泳ぎ終わると、市川先生がプールサイドに水泳部の部員を全員集めた。
「今から、うちの高校から県大会に出場する選手を発表する」
あたしは水泳部じゃないけれど佐野くんの結果が気になるから、プールサイドのベンチに大人しく座って市川先生の声に耳を澄ませた。
市川先生は手元にある資料を見ながら、県大会に送り出す選手の名前を一人一人呼んでいく。
だけど、佐野くんの名前はなかなか出て来ない。
不安になって佐野くんの横顔を見つめると、彼は真剣な目で市川先生を見上げていた。
「それから……」
選手の枠は残り少ない。
両手を握り合わせて目を閉じる。
「佐野 翠都」
そのとき、市川先生が佐野くんの名前を呼んだ。
あたしは目を開けると、ベンチから立ち上がる。
「佐野くん、やった……」
小さな声で呟きながら佐野くんの方に視線を向けると、嬉しそうに目を輝かせている彼の横顔が見えた。



