「佐野、25秒53。高崎、26秒27」 佐野くん達が水面から顔を上げると、市川先生が手元のタイムを読み上げる。 佐野くんは深く息をついたあと、ベンチの前で立ち上がっているあたしの顔を見上げた。 目が合うと佐野くんがにこりと笑う。 あたしは佐野くんに手を振ると、満面の笑みを彼に返した。