透明な青、揺れるオレンジ



先に25メートル地点に辿り着いた佐野くんが、水中でゆったりと綺麗にターンする。


あと25メートル……

あたしはストップウォッチを握る市川先生の表情を気にしながら、握り締めた両手に力を入れた。

25メートル地点で折り返すまで順調な泳ぎを見せていた佐野くんだったけれど、30メートルあたりで少しスピードが落ちる。

その間に、高崎くんに距離を詰められた。

息継ぎをするときに顔を上げる佐野くんが少し苦しそうで心配になる。


残り15メートル……


高崎くんが、佐野くんに並ぶ。


佐野くん、頑張れ……


祈るような気持ちで見つめていると、最後の10メートルで佐野くんの身体がまた少し前に出た。


あと少し……


身体全体に力が入ってしまって、思わずベンチから立ち上がる。

そのとき、佐野くんの手がプールの壁をタッチした。

それから少し遅れて、高崎くんが壁にタッチする。