「へ、変なとこ触ったりしてないよね?」
「変なとこって?水着のままじゃ風邪ひくし、ただの人助けだって。意識失ってる間に、人工呼吸されるよりマシだろ?」
身体を守るように自分の両腕で自分を抱くと、佐野くんがからかうようにケラケラと笑った。
「からかわないでよ!」
怒ってプールの中の佐野くんに向かって軽く手を振り上げる。
本当に彼を叩くつもりなんてなくて、そんの冗談のつもりで勢いよくその手を振り下ろすと、あたしの身体がバランスを失って前のめりに少し揺れた。
「早瀬!」
あたしの身体がプールに倒れこむように揺れたのを見て、佐野くんがやたらと焦る。
「お前、またプールに落ちるぞ」
あたしの感覚では落ちるほど揺れなかった気がするのに、佐野くんは過剰に心配してあたしの身体をプールの中から支えてくれた。
「あれくらいで落ちるほどドジじゃないよ」
支えてくれた佐野くんの肩を向こうへ押しながらくすりと笑う。
すると彼がちょっと悔しそうに眉を寄せた。



