透明な青、揺れるオレンジ



でも、水泳部の主顧問で体育の授業の中でも特に水泳に力を入れている市川先生は去年の先生ほど甘くなかった。

レポートで許してくれるように必死に頼み込んだけど、あっさりと拒否された。


「早瀬だって、練習すれば泳げるようになるから」

市川先生はそう言うけど、あたしはどうしてもそうは思えない。

あたしには泳ぐどころか、そもそも水の上で浮かぶ才能がないのだ。


市川先生を睨みながらふて腐れていると、千亜希がつい今さっき思い出したような軽い口調で衝撃の事実を口にした。


「あ、そういえばさ。あたし、今日で補習終わりだから」

「え!?」


驚いて、思わず大きな声が出る。

目を見開いたあたしを見て、千亜希が申し訳なさそうに肩を竦めた。


「ごめんね。ついさっき再試験、合格しちゃった」

「えー!!そんなの嫌だ。明日もあたしと一緒に補習しようよ」

あたしは千亜希の腕を掴むと、それをぶんぶんと激しく振って泣きついた。

千切れそうなほどに強く腕を振り回されている千亜希が、困ったように笑う。