おへそ……?
あたしは半ばやけくそになって、顎をぐっと引いた。
するとそのとき、急に身体が軽くなるような感覚と共にあたしの身体がふわりと浮き上がった。
浮いた!?
まさか、こんなに身体が軽くなると思わなくて驚いていると、佐野くんがあたしの手をゆっくりと引いてそのままどこかへと導く。
水の中をふわふわと移動させられたあたしは、佐野くんの手の代わりに何か別のものをつかまされた。
「早瀬。そのまま足を動かしてバタ足してみろ」
佐野くんの声がして、あたしはバタバタとあわただしく足先を動かしてみる。
バタ足を始めると、それに集中しすぎてまた身体が沈み始めた。
「早瀬。顎は引いたまま。足は先っぽだけじゃなくって、もう少し落ち着いて全体を動かすイメージでやってみろ」
佐野くんの指示通り顎を引くと、足の指先に柔らかい何かが触れた。
触れたその何かは、あたしの足先を掴んであたしのバタ足の動きを優しい力でコントロールする。



