佐野くんが水の中を進むと、その周りに小さな青いさざ波が起こって揺れる。


窓から差し込む太陽の光で、青い波がときおりキラキラと光る。


あたしは頭に被ったタオルをぎゅっと握り締めると、揺らめく青い波間を泳ぐオレンジ色の彼を愛おしい気持ちでいつまでもずっと見つめていた。



― Fin ―