高崎くんに笑われて、あたしの頬がほんのり赤くなる。
「あれからずっと仲良さそうだから安心しているよ、俺は」
赤くなったあたしを見て、高崎くんがにんまりとする。
そのとき、泳ぐのを終えて水面に顔を出した佐野くんがあたしの隣に座っている高崎くんを睨んだ。
「高崎、お前そこで何やってんだよ」
不機嫌な声でそう言ったかと思うと、佐野くんが高崎くん目掛けてプールの水を思い切り跳ね飛ばす。
「わっ」
高崎くんが逃げるように立ち上がったから、佐野くんが飛ばした水しぶきはあたしの頭の上に落ちてきた。
「わっ、ちょっと!」
びっくりして立ち上がったあたしの髪の先から、水滴がいくつも落ちてくる。
「あーあ。翠都がつまんない嫉妬するから早瀬さんが代わりに水被っちゃったじゃん」
からかうようにケラケラと笑う高崎くんを、佐野くんが恨めしげに睨む。