指先でツンとする鼻を押さえていると、佐野くんがしゃがんだままごそごそと制服のズボンのポケットを探り始める。
何をするのか不思議に思ってみていると、目当てのものを探り当てた佐野くんがポケットからそれを引っ張り出してあたしに差し出した。
「あ」
目の前で、千切れて失くしたはずのオレンジ色のストラップが揺れる。
「佐野くん、これ……」
「この前、部活のあとのプールで探してたんだろ?高崎から聞いて同じやつ探してきた。でもこれ、ジュースのおまけだろ。こんなの別に必死で探さなくたってよかったのに」
苦笑いを浮かべる佐野くんの手からオレンジ色のストラップを受け取ったあたしは、胸の前でそれを大切に握り締めた。
「だって、佐野くんから初めてもらったものだったんだもん。大事だよ」
もらったストラップの紐を指で摘まんで、顔の横ででゆらゆらと揺らす。



