透明な青、揺れるオレンジ



「あたしのことが大事だったら、翠都が置いて帰るわけないじゃないですか。翠都があたしのこと忘れて帰ったのは、他のことで頭がいっぱいだったからですよ」

町村さんがあたしを見据えたまま自嘲気味に笑う。


「早瀬先輩、半年前に翠都が怪我したこと知ってますよね?」

「あぁ、確かバイクにぶつかられて腕を……」

県大会の選抜試験を受けるのを躊躇うくらいの怪我だったみたいだけど。

詳しいことはよく知らない。


「その怪我、あたしのせいだったんですよ」

「……」

胸に衝撃が走る。

「半年前。中3だったあたしは、塾の帰りにちょうど部活から帰ってきた翠都と一緒になって。一緒に歩いてたら、蛇行して走ってきたバイクがガードレールを越えて歩道に突っ込んできて。そのとき、翠都は身を呈してあたしのこと庇ってくれたんです」

あたしの顔が強張るのを見て、町村さんがふっと息を吐くように笑った。