「早瀬さん、最近翠都と一緒に帰ってないでしょ?こんなとこでずっと見てるくらいならプールに来ればいいのに」
「うん……」
口元に笑みを浮かべながら俯くと、高崎くんが凭れかかっていた机から離れてあたしの手をつかんだ。
「翠都なら多分まだ部室だし、今からでも行こうよ」
高崎くんが強引にあたしを教室の外へと引っ張った。
「高崎くん、ちょっと待って」
抵抗しようと足を突っぱねても、高崎くんは強い力であたしを引きずるように歩いていく。
困っていると、教室のドアを出たところで高崎くんが誰かとぶつかった。
「……って」
高崎くんが額を押さえながら小さな悲鳴をあげる。
顔を上げると、目の前には無表情の佐野くんが立っていた。
「佐野くん」
練習後、着替えてすぐに教室に上がってきたらしい。
佐野くんの髪はまだ少し濡れていた。



