「早瀬さん。まだ残ってたんだ?」
「高崎くん、どうしたの?」
驚いて目を見開いていると、高崎くんが教室の中に入ってきた。
「早瀬さん、ここ何日かプールに来ずにここから水泳部の練習覗いてるでしょ」
高崎くんは唇の端を上げてにっと笑うと、教室の一番後ろの窓を指差した。
「あぁ」
気付かれてたんだ……
ちょっと気まずくて苦笑いを浮かべる。
でも高崎くんは特に何も気にしていないみたいだった。
あたしが立っている近くの机に凭れかかりながら、後ろに手をつく。
「この前言ってたストラップ、いろいろ聞いてみたんだけど全然手がかりなかったや」
「高崎くん、聞いてみてくれたんだ?」
「うん、でもあんまり役に立たなくてごめん」
「うぅん、聞いてくれただけでも嬉しい。ありがとう」
あたしが笑いかけると、高崎くんもほんの少し笑い返してきた。



