しばらくしてプールの方に視線を戻すと、プールサイドに二人で並んで立っていた佐野くんと町村さんの姿は消えていた。
目を凝らしてプールの波間を探すと、時々浮かび上がる佐野くんのオレンジ色の髪が見える。
あたしはまだ泣きたい気持ちのままで、そのオレンジ色をぼんやりと見ていた。
窓枠に腕を凭れかけてプールを見ていると、だんだんと日が落ちてきて青かったプールの水面が薄いオレンジ色に染まる。
そうなる頃には、水泳部の部員達も運動場で部活をしていたほかの生徒達も練習を終えて帰宅の準備を始めていた。
プールと運動場が無人になっても、あたしは何となく窓際の一番後ろの席から立ち上がることができなかった。
無人になったプールをぼんやりと見つめていると、廊下から上履きの底が床を擦る音が聞こえてくる。
先生が見回りに来たのかも……
そろそろ帰ろうと椅子から腰を上げたとき、教室の後ろのドアから一人の男子生徒がひょこっと顔を出した。



