翌日の昼休み。食堂でごはんを食べて千亜希と一緒に教室に戻ってくると、あたし達のクラスの廊下に人が集まっていた。
「何かあったのかなぁ」
千亜希と呑気に話していると、廊下にいたクラスメートの一人があたしを見つけてぶんぶんと大きく腕を振った。
「碧(アオイ)。佐野くんが呼んでる」
「え?」
急いで視線を動かすと、廊下にできた人だかりの真ん中にオレンジ色の髪の男子が見えた。
「碧、いつから佐野くんと知り合いだったの?佐野くん、こないだ体育館で表彰されて目立ってたからみんな騒いでるよ」
教室の前の人だかりに駆け寄っていくと、あたしに手を振ってくれたクラスメートがにやにやと笑う。
「あぁ、えっと」
彼女に苦笑いを浮かべて困っていると、人だかりの真ん中にいた佐野くんが出てきてあたしの腕をつかんだ。



