透明な青、揺れるオレンジ



あたしはプールサイドにうつ伏せで寝転ぶと、さらにじっと目を凝らした。


「うーん……どうなんだろう」

けれど、どれだけ睨んでもその光るものの正体はつかめない。


ただ、あたしが見つめているそこに何かがあることだけは確かだった。

制服のままプールに入ることもできないし。


「早瀬さん、何してんの?」

どうしようか迷っていると、頭上から呆気にとられたような声がした。

はっとして顔を上げると、プールサイドにうつ向けに寝そべるあたしの傍に高崎くんが立っている。


「あ、えっと……」

慌てて上半身を起こすと、それを見ていた高崎くんがくすくすと笑った。


「前から思ってたけど、早瀬さんって面白いよな。ていうか、天然?」

「いえ、そんなことないです」


佐野くんにはよく面白いってからかわれるけど、高崎くんにまで。

あたし、そんな変な人なのかな。

高崎くんに笑われて、なんだか恥ずかしくなる。