「さ、佐野くん!あたし、一応女子なんだけど」
慌てて出ようとすると、佐野くんがあたしの腕をつかんでぐいぐいと更衣室の奥へと引っ張っていく。
「もうみんな帰ってるから大丈夫だって」
佐野くんは更衣室の奥にある小さなベンチにあたしを座らせると、鞄の中から彼の部活用のジャージを引っ張り出した。
「サイズでかいけど、体育用のやつよりはマシだろ」
佐野くんがそう言って、あたしに黒い男物のジャージを押し付ける。
「でも」
佐野くんのジャージを手に戸惑っていると、彼が珍しく怖い目をしてあたしを見つめてきた。
「お前をその格好で帰らすわけに行かねぇだろ。水に濡れて下着が透けてんだよ」
佐野くんに言われて確かめると、制服の白いブラウスの下から水色の下着が思い切り透けていた。
「あ」
あたしは真っ赤になると、佐野くんが肩からかけてくれた湿ったバスタオルで急いで上半身を隠す。



