「よかった」
ほっとしてストラップをぎゅっと握り締めると、町村さんが不思議そうな顔をする。
「スマホよりも、そっちの方が大事みたいですね」
「うん、佐野くんにもらったから」
笑って答えると、町村さんはあたしの手元に視線を投げて「へぇ」と呟いた。
「あれ、早瀬。まだ中にいんの?」
町村さんが貸してくれたタオルと自分のタオルで頭や身体を拭いていると、プールの入り口から佐野くんが身を乗り出してきた。
「奈緒もまだいたんだ」
そう言いながらプールサイドに足を踏み入れた佐野くんは、制服のままびしょ濡れになっているあたしを見てぎょっとした。
「早瀬、お前それどうした?まさかプールに落ちたとか」
「そうじゃなくて、シャワーが突然降ってきて」
「は?」
あたしの言葉に、佐野くんが怪訝そうな顔をする。



