大丈夫だよね。
だってこの前、何も心配することはないって。そう思ったんだから。
誰もいなくなったプールの水面に起つさざ波を見つめながら、あたしは懸命に自分に言い聞かせた。
しばらくして心が落ち着いてくると、ゆっくりとプールの入り口へと向かう。
いつも佐野くんとの待ち合わせ場所になっているプールの入り口に、彼はまだ来ていなかった。
時間があるから、靴を履く前に足を拭こうと入り口の石段にしゃがむ。
右手で左足をつかんでみると、意外と素足の裏が汚れてしまっていた。
ちょうどシャワーの向こうに足洗い場がある。
あたしは立ち上がると、一度プールサイドに戻った。
それからスカートを濡らさないように念のためたくし上げて、シャワーの下を潜り抜けてその向こうにある足洗い場に移動する。
足の裏の汚れをさっと洗い流して、プールの入り口に戻ろうとシャワーの下をくぐり抜けたとき、突然頭上から大量の水が勢いよく降ってきた。



