「早瀬、お待たせ」
不安な気持ちでいっぱいになりながらフェンスに凭れていると、ようやく佐野くんの声がした。
弾かれたみたいに顔を上げると、近づいてき佐野くんがあたしの顔を覗き込む。
「どうした?何か元気なくない?」
「そんなことないよ」
「そう?」
慌てて佐野くんから顔を逸らすと、彼があたしをじっと見ながら首を傾げた。
「あ、そうだ。これ、お前にやる」
佐野くんはそう言うと、あたしの前にオレンジ味のアイスキャンディを差し出してきた。
「買いに行ったら、今日は時間が遅いせいかそれがラスイチだった」
佐野くんはあたしにアイスキャンディの袋を握らせると、自分はペットボトルのジュースの蓋を開けた。
遅かったのは、これ買いに行ってたからなんだ……
ほっとしてちょっと泣きそうになっていると、佐野くんが不思議そうな顔をしてあたしをじっと見た。



