授業が終わって教室を出たあたしは、気付くとプールの入り口に立っていた。
最後の最後まで「行かない」と千亜希には強がってみたものの、内心では町村 奈緒という佐野くんの幼なじみが彼に近づかないか気になってどうしようもない。
あたしがプール脇についた頃には、もう数人の部員達が準備運動を終えて泳ぎ始めていた。
プールの入り口から中を覗くと、半袖の体操服を着てジャージのズボンを膝の辺りまで捲り上げて立っている町村さんが見えた。
肩にフェイスタオルをかけた彼女は、二日目にしてもう部活に馴染みだしているのか、部員達に声を掛けられてはにこにこ笑っている。
けれど、プールサイドにもプールの中にも肝心の佐野くんの姿がなかった。
まだ来てないのかな。
がっかりして後ろを振り向くと、プールに向かって歩いてきた部員の誰かの身体にぶつかった。
筋肉の引き締まった、よく日焼けした男子の胸に受け止められてあたしは思わず顔を赤くする。



