「じゃぁ、明日からよろしくお願いします。佐野 翠都先輩」
町村さんが佐野くんの背中に向かって大きな声で呼びかける。
「何だよ、そのわざとらしいしゃべり方」
振り返った佐野くんが、町村さんを見てケラケラと笑う。
「あいつ、マネージャーなんてタイプじゃないくせに。どういう風の吹きまわしだろ」
あたしと並んで歩きながら、佐野くんが楽しげに笑う。
だけどあたしはただ嫌な予感しかしなくて。
彼の言葉に頬を引きつらせながら、不自然な愛想笑いを浮かべることしかできなかった。
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