小さなことで地味に落ち込んでいると、町村さんが大きな瞳をくりくりとさせてあたしを品定めるように見つめた。
「えと……はい。一応」
あたしが答えると、町村さんがくすっと声をたてて笑う。
「一応、なんだ」
そんな彼女の表情はとても可愛らしかったけれど、どうしてかあまりいい気がしなかった。
何なんだろう、この子。
佐野くんの幼なじみなのに、あまり積極的に関わる気になれない。
彼女と会話を続ける気分にもなれなくて口を閉ざしていると、佐野くんが市川先生と一緒にあたし達のところに戻ってきた。
「イチ先、こいつ。マネージャー希望って言ってる俺の幼なじみ」
佐野くんが言うと、町村さんは笑顔で市川先生に頭を下げた。
「町村 奈緒です。水泳の経験はほとんどないんですけど、マネージャーやってみたくて」
「そうか。じゃぁ、時間があれば見学していきなさい。仕事の説明とかするから」
市川先生が町村さんを手招きする。



