嫌なことを想像してぞっとする。
両腕で身体を抱きしめるようにしながら身震いしてると、不意にカルキの匂いがツンと鼻をつき、頭の上にぽとりと水滴が落ちてきた。
「どうした、早瀬?」
顔を上げると、佐野くんがあたしの頭に被せられていたタオルをつかんだ。
「あ、うぅん。何も」
「帰ろう。着替えるから、プールの入り口で待ってて」
佐野くんはそう言うと、つかんだタオルを肩にかける。
「練習は?」
「あとは自主練だって」
佐野くんはそう言ったけど、プールでは一旦中断された練習を再開している部員が多かった。
「いいの?練習してる人多いけど」
「今日はいいの。っていうかさ」
佐野くんはあたしの顔を下から覗きこむと、ほんの少し首を傾げた。
「一緒に帰りたくない?」
首を傾げた佐野くんが、下からあたしの顔をじっと見つめる。



