透明な青、揺れるオレンジ



突然やってきた暗闇の中で必死にもがいていると、と吹き出す声と共に視界が晴れた。

顔を上げるとそこには水着に着替えた佐野くんがいた。


「お前、やっぱおもしろいよな」


佐野くんがあたしの頭をくしゃりと撫でながら笑う。


暗闇を抜けた瞬間、不意に現れた佐野くんの笑顔にきゅんと胸を高鳴らせていると、彼があたしの頭から何かを被せた。


肩の辺りにまで垂れ下がってきたそれはよく見ると佐野くんのタオルで、さっきあたしを暗闇に陥れたものの正体はこれだったらしい。


「もう、いきなりビックリするから」

恨めしげに佐野くんを見上げると、彼がケラケラと笑う。

「今日は熱いから、それ被ってな。日焼けと熱中症防止」


佐野くんはそう言って笑うと、軽く準備運動をしてプールの中に身体を沈める。