「おい、翠都。何だよ、その髪の色」
始業式の翌日。
部活に行くと、高崎が俺を見て不服そうに眉を顰めた。
うちの高校は、頭髪に関する校則があまり厳しくない。
パーマとか毛染めとかしても、授業とかテストとか。普通にこなしてれば先生達も特に文句を言ってこない。
夏休みが明けて、高崎が何を色気付いたのか真っ黒だった髪をアッシュブラウンに染めた。
それに便乗したわけじゃないけど、俺も元々茶色がかっていた髪を染めてみた。
「別に。お前が夏休み明けて染めたから、俺もやってみただけ」
指で前髪に触れながら、まだ見慣れない自分の髪を上目遣いに見上げる。
「だからって、何でオレンジなんだよ。お前、ただでさえちょっと顔いいんだから、俺より目立つ色にすんなよ」
「何だよ、それ」
高崎が不服なのは、髪を染めたことじゃなくて俺が選んだ色らしい。



