透明な青、揺れるオレンジ





2学期の始業式。

いつもより少し早めに登校した俺は、昇降口で偶然彼女に鉢合わせた。

スニーカーから上履きに履き替えて顔をあげると、彼女がこっちを見て微笑む。

ドキリとしながら、俺から挨拶すべきかどうか迷っていると、後ろから同じクラスの女子の声がした。


「あ、碧。おはよう、ひさしぶり」

「ゆきちゃん、おはよう」

彼女の声が、あっさりと俺を素通りする。

彼女が笑いかけたのは、俺じゃなくて後ろにいる友達だったんだ。

自分の勘違いが恥ずかしい。

それと同時に、やっぱり自分が彼女に認識されてないことを思い知らされて落ち込んだ。