透明な青、揺れるオレンジ



呼び止められた彼女が不思議そうに振り返って首を傾げる。

「何?」とその目が問いかけきたけど、ただ衝動的に彼女を呼び止めてしまった俺は、自分でそうしておいてものすごく戸惑った。


「あぁ、えっと……」

何か話さないと。

必死で考えて、ふと手にオレンジのアイスキャンディを持っていることに気付く。


「これ。補習終了のお祝いに」

たぶん、若干溶け始めているそれを投げると、彼女が驚きながらもそれを両手で受け止めた。


「ありがとう」

彼女が俺を見て、にこりと笑う。

その瞬間、誰かに思いきり心臓でもつかまれたみたいに胸がぎゅーっと痛くなった。

名前すら知らないだろう俺に向けてくれた彼女の笑顔は眩しくて。

本気で、すげぇ可愛いと思った。