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翌日。
彼女は補習に来なかった。
風邪でもひいたかな。
いつも隣のコースで補習を受けている彼女のことを考えながら泳いでいると、練習に身が入らない。
上がり調子だったタイムも落ちて、イチ先に睨まれた。
部活が終わったあと、なんとなくすぐに帰る気になれなくて。
着替えたあと、購買でオレンジ味のアイスキャンディを買った。
アイスでも囓りながら、一日練習に身が入らなかった自分の反省会でもしようと思ってプールに戻ると、その入り口に補習に出てきていなかった彼女の姿があった。
「何してんの?」
昨日と同じように、プールの入り口付近をうろついている彼女に声をかける。
今日はまだプールの鍵も開いているから、用があるなら自由に中に入れるはずだ。
不審に思っていると、彼女が肩をビクつかせながら振り向いた。
「あ、あの。浅井先生知らないですか?」
彼女がちょっとよそよそしい感じで俺に問いかけてくる。



