「お前、おもしろいな。それで、浅井先生の補習は終われそう?」
今日の彼女の泳ぎを見る限り、まだまだ補習は続きそうな気配だった。
それを知りながらわざとそう訊ねると、彼女が首を横に振りながら息をついた。
「うーん、どうだろ……」
うんざりとした表情で肩を竦める彼女。
このままじゃ、補習授業が永遠に終わりそうもないことは彼女自身が一番よくわかっているようだった。
「だったら、浅井先生にレポートでも提出すれば?レポート用紙50枚くらい書けば、補習も免除してもらえるんじゃない?」
笑いながらそんな冗談を口にすると、沈んでいた彼女の目がキラリと輝いた。
「そうだね。それ名案かも」
「え?」
嬉しそうにポンと手を叩く彼女は、俺の言葉を本気にしたみたいだった。
「いいアドバイスありがとう!」
明るい声でそう言ったかと思うと、彼女がくるりと踵を返す。
そしてそのまま俺を残して走り出した。
「あ、ちょっと……」



