妖狐と私




「葵」


ふと、私を呼ぶ声。


優陽だ。


「優陽っ」


今まで姿を消していた優陽は、いつの間にかベッドで寝転ぶ私の隣に立っていた。


「ありがとう、優陽。また助けてもらっちゃった。」


私は起き上がってお礼を言う。


「なんのことだ」


優陽はそう言って背中を向ける。


「あの時、優陽が秋斗のところに連れていってくれなかったら、秋斗、怪我してたかもしれない。」


私は、優陽の背中に話しかける。


「葵が助けたから、防げたんだろ」


「違うよ!優陽が、秋斗の危機を感じ取ってくれたからだよ。」


「でも、助けたのは葵だ」


「優陽が助けてくれたの」


「違う。」


優陽は私の方に振り返る。


そして、優陽はゆっくり私の方に近づいてくる。