妖狐と私




秋斗は何も言わないで、私の話を待ってくれている。

そして私は、ついにお父さんの話を切り出した。


「お父さんの、ことなの……。」


「おとうさん?」


「うん。お父さん、3年前から帰ってきてないでしょ。」


「うん」


「お父さん……ね、仕事じゃないんだ……。もう……帰って……こないの……。」


「……」


「ずっと、隠しててごめん。」


私は秋斗の顔を見ることができなかった。

下を向いて、秋斗の言葉を待った。


 何も言ってくれないに決まってるよね……。

 意味、わかんないよね……。

 こんな急な話、理解できないよね……。