妖狐と私




「優陽っ!」

「……。」


優陽は足を止めてどこかを見つめている。


「な、なにっ……はぁっ、どうしたのっ……」


私は息切れですぐに言葉が出ない。

優陽本当に足速いんだもん。


「あれ。」


そう言って優陽が指をさした方向を見ると、やっぱり、弟の秋斗の学校だ。


「……あ」


秋斗が学校の校門から出てくるのが見えた。


「か、隠れてっ!!」


私たちは校門の近くの電信柱の陰に隠れた。


「俺、隠れても意味ない。」

「あ、そうだった……!」


そう言いつつ私たちは電信柱の陰に身をひそめる。


「ていうか、こんなところすぐに見つかるんじゃないのか?」

「こ、ここしかないんだからしょうがないの!でもなんで、こんなところ連れてきたのよ?」

「……感じたんだよ。」

「感じた?」

「見てればわかる。」

「え……。」


優陽の表情を見て、私の気持ちは一気に不安になる。


 いったい、何があるっていうの……。


私は校門から出てきた秋斗を電信柱の陰から見ていた。