妖狐と私




「はぁ、優陽がこのままずっと隣にいてくれたらいいのに」




「ははっ」と笑いをこぼしながら私は言う。


 もちろん冗談。


 だってそんなこと普通に考えて無理だし。


 妖怪と人間が一緒にいるなんて不可思議すぎるし。


 どう考えても想像つかないし。


 ただちょっと、「優陽がいつも一緒にいてくれたらいいな」って思っただけ。


 ちょっとの時間しかいないけど、優陽は私の太陽みたいな存在だなって思ったし。


 優陽の隣はなんだか落ち着くし。


 私って単純なのかも。


 でもまぁ、なんにしろもうすぐお別れだろうし。


 私が呼んだからここにいてくれてるだけだし。


 話が終わったらすぐ帰っちゃうと思うし。


 妖怪だしね。


 こんなとこにずっとはいられないよ、うん。


 ホント、なに言ってんだ私……




「ん?ああ、そのつもりだけど。」




 ん?




「え?ん?どゆこと?」




「いや、これから葵の隣にいるつもりだけどってこと。」




「……うん?」




 ちょっと待って。


 普通に考えて無理だし。




「どうせ俺妖怪だから人間には見えないし。お前にはなぜか俺が見えてて結構びっくりだけど。」




 妖怪と人間が一緒にいるなんて不可思議すぎるし。




「お前一人じゃちょっと心配だしな。学校のこととか家のこととか、俺がいたら都合のいいことだってあると思うし。」




 どう考えても想像つかないし。




「あ、でももちろん用なしになったら俺は葵の前から消える。用がないのに人間と一緒にいるなんて、ただの暇人になってしまうからな。」




 ただちょっと、「優陽がいつも一緒にいてくれたらいいな」って思っただけ。




「おい、ここは「あんたは人じゃないから「暇人」とは言えないでしょ」ってツッコむところだろ?」




 でもまぁ、なんにしろもうすぐお別れだろうし。




「まぁそういうことでだな、お前まだいろいろと不安そうだし、しょうがねぇから俺が一緒にいてやるよ。」




 話が終わったらすぐ帰っちゃうと思うし。




「だから、俺が人間界にいる間はずっと隣にいてやるよ。」




 こんなところにずっとはいられないよ。


 いられないと……思ってた……んだけど……




「ええええええええええ!!?」