「だから……俺は助けてなんかない。」
「助けてくれたよ。私にとっては……救いだったんだよ。」
「……そ。」
「うん。だからね、優しい妖怪さんで、太陽みたいだから「優陽」って名前を思いついたの!」
「ふ~ん、まぁ、いいんじゃねーの?」
優陽は私から目をそらして、また少し照れたように頬をピンクに染めていた。
「でも実は、優陽が目の前に現れた時はすっごく怖かったし意味不明すぎて理解できなかったけど!でも、本当はすごく優しいんだって思ったら、全然怖くなくなったの。」
「……」
優陽は黙って私を見る。
あ、し、しゃべりすぎた!?
「あ、ごっ……ごめんね私一人でしゃべって!!」
「ふっ、いーよ」
優陽は初めて……私に笑った顔を見せた。
……笑った!
優陽の笑った顔はとても綺麗で、つい見とれてしまった。
こうして見ると本当に妖怪になんか見えない……普通の人間みたい。
耳とか尻尾を見なかったらだけど……。
優陽がはじめに笑ったのは、私を屋上から突き落とした時だけど……その時の笑みはとても怖かった。
とても怖くて、凍りついてしまいそうな笑みだった。
だけど今見せた優陽の笑みは……とても優しい顔だった。


