妖狐と私




「ねぇ少し、お話しようよ」




私はまた倉庫の陰に隠れるように座り、妖怪に自分の隣に座るようぽんぽんと地面を叩く。


妖怪は何も言わずに私の隣に座ってくれた。


そして私は妖怪に話しかける。




「名前、なんていうの?」


「名前?」


「そう名前。あるでしょ?」


「……名前なんてない。」


「え?」


「俺らの世界では、妖怪に名前なんてつけねんだよ。」


「じゃあ、なんて呼ばれてるの?」


「基本「狐」だな。」


「「狐」……って、そのままじゃん!」


「そうだけど、なんでだよ。」


「だって……名前ないと私、あなたのことなんて呼んだらいいかわかんないし……。」


「別に、「狐」でいいだろ。」


「う~ん……あっ、そうだ!私が名前、つけてあげる!!」


「は?」


「どうせないんなら、つけちゃっていいでしょ?だめ??」


「いや……別にいいけど」


「う~んじゃあ~……」




私は真剣に考える。


少し間を置いて、口を開いた。




「「ゆうひ」!!」