「えっ……」
「このままここにいたらあいつらに見つかってまた危ない目に合うだろ。今のうちに避難しとけって言ってんだよ」
「あ!」
私はそこでようやく妖怪の行動を理解した。
妖怪は「わかったら行く。」と言って、私を屋上から逃がしてくれた。
私は小走りで階段を下り、一階に到達すると裏庭の方へと避難した。
ここならあんまり人来ないよね……。
裏庭にある古い倉庫の陰に座り、「ふぅ」と一息つく。
……あの妖怪……私をあの場から逃がしてくれた……。
香奈たちから逃がしてくれた……。
私のこと、助けてくれた……?
そういえば、私が屋上から落ちようとした時も、
「やっとわかったか」
って言ってた。
私の本当の気持ちを……私でもわからなかった気持ちをあの妖怪は見抜いていたんだ。
よく考えれば、私を屋上からわざと突き落としたのも、私に本当の気持ちを気づかせるためだったのかもしれない。
あの妖怪があの場に現れたのは、はじめから私を助けるため……。
私の命を……助けてくれた。


