妖狐と私




「なんなの……魔法?」


「魔法というか、生まれ持った能力だよ。」


「能力……。」


「生まれつき持っている能力もあれば、持っていない能力もある。習得すれば新しく能力を得ることはできるけどな。」


「……へ……ぇ……。」


「まぁまだお前には理解できないだろうけど。」


「う……」




 理解できないに決まってる。


 だってこんな話……誰がすんなり信じるっていうのよ……。


 こんな漫画やアニメのような話……現実に存在するなんて信じられない。


 だけど、この妖怪に触れたし、時間が止まっているのもリアルだし、掴まれた腕にもやけに感覚が残っているし……。


 夢じゃない……か。


 なんかもう……ある意味すごいよこの状況。


 















「そろそろ解くか。」


「解くって?」


「止めていた時間を動かす。だからお前は……」




妖怪は右手で「しっしっ」という動作をする。




 ……あっち行けって?




「?」




私はどうしてなのか意味が分からなくて首をかしげていると、




「ばっか、逃げろっつってんだよ」




と妖怪は言った。