妖狐と私




不思議と私の心は落ち着きを取り戻していった。




 ってか!!


 なんで私は妖怪と普通に話しちゃってんの!?




「弟は、お前しかいないんじゃないのか。」


「え?」




頭を抱えていた私にそう言った妖怪。




「唯一の味方は、お前しかいないんじゃないのか。」


「あ……」


「お前がいなくなったら、きっと弟は泣くんじゃないのか。」


「そうだ、私……」


「お前が思ってる以上に、お前を大事にしてる奴はいるんだよ。」


「……私を……?」


「まぁ、そういうのは今すぐわかることじゃねえよ。」




 本当かな?


 私を大事にしてくれている人……。




「ま、そういうわけでこれは現実。お前は死んでもないし、俺は実際にここに存在してる。」


はっ




 っていうか、妖怪になぐさめられてしまった……。