妖狐と私




「理解できてなさそうな顔だな。」


「あたりまえでしょ!?」




そのキツネとやらは私を見下ろす。


 ……背……高い……。




「だいたいあなた……姿は人間じゃない。」




私は男の全身を見ながら言う。




「だって俺、妖怪だし。」




 ……へ?




「……な、なんだって?」


「だから、俺、妖怪。狐の妖怪。」


「……」




 いや待って。


 意味が分からないんですけど。


 狐の……妖怪?


 いや、ここ……そんなファンタジックな世界でしたっけ。


 ありえないし……おかしいし……狂ってるし……。


 わ、私……死んだ?


 さっき本当は屋上から落ちて、案外あっさり逝っちゃったの?


 そんで私、ファンタジックな世界に来ちゃったってわけ?