妖狐と私




人間のような姿をしているけど、その男の頭からはヤマブキ色のピンとした耳が生えていた。


まるで、動物のような……。


髪の毛も綺麗で透き通るようなヤマブキ色。


瞳の色までヤマブキ色だ。


服装は白い着物のようなもの。


現代の人々が着ているような服装ではない。


腰あたりには紺色の帯のようなものを巻いていて、大きく幅の広い袖は紫がかっている。


なにやら前身頃の横の部分には縦に切れ目が入っていて、ズボンのようなものを履いているのがわかる。


着物にしては昔っぽい感じではなくオシャレ感がある。


なんかこう……アニメでいそうな……。


靴は、裸足に草履を履いている。


そして……男の後ろにはモフモフとしていてさっきからフサフサと動いている物体は……尻尾。


しかも三本も。


三本の尻尾は男の頭に近いところまであって、とても大きく、自身の身体を囲めそうな感じだ。


よく見ると尻尾の先は白い。




 な、なんか……動物でこんなやつがいたような……。












「……な、何者?」




男の姿をまじまじと観察してから怪しむような目で男を見上げる私。




「「何者?」って言われてもねぇ……」




「あ、あんた、人間じゃないでしょ……!」




「うん。」




 ほ、本当に何者……!?