妖狐と私




「なっ……え!?」




私の頭の中はパニック状態。


全てにおいて理解ができなかった。




ふと下を見ると、私はまだ空中にいた。


「ヒュオオオ」と風の音がする。




「いっ、いやあああ!落ちるっ……落ちるぅーーー!!」


「暴れんな。落ちねぇよ、俺が持ってんだから。」


足をジタバタさせる私に、冷静な態度で対応する男。




 ってかなんで浮いてるのー!?




そしてあたしの体は、どんどん地面から遠ざかっていく。


「ど、どこ連れてく気!?」


「どこって、屋上だろ。」


下を見ないように目を瞑る私。


そして、やっと地面に足がついた。